1.入学前に勉強を開始

 私が気象予報士試験の勉強を始めたのは、大学に入学する直前の2021年の2月のことでした。ちょうど大学受験を終えた頃で、少し時間ができたので一般知識の勉強から始めました。 気象予報士試験には一般知識・専門知識・実技試験の3つがありますが、取りかかりやすい一般知識について、テキストを2回通して学習しました。その後、専門知識について一般知識と同じように2回通してテキストを学習しました。こうして6月頃までには一般・専門知識について学習したので、初めて過去問をやってみましたが、結果は悲惨で、一般知識が15問中7問、専門知識が15問中2問しかできませんでした。

2.実技試験の勉強も始める

 その後、過去問を10回くらいやって、学科試験はやっと合格ラインにも達するようになってきました。そこで8月頃から実技試験の勉強を開始しました。同じようにテキストを2回通して学習するとともに、使用したテキストに7回分の模擬問題がついていたので、そちらについても2回通しで学習しました。さらに実技試験の過去問にもチャレンジしました。実技試験は75分間の制限時間がありますが、最初は時間を気にせず全問解いてみる事を意識しました。また 11月下旬頃からは、時間を計って学科・実技試験の過去問を解きました。これを毎週1回行いました。

3.いよいよ本番

 このように約1年準備して、2022年1月30日の第57回試験を受験しました。学科試験は無事合格しましたが、実技試験は残念ながら落ちてしまいました。第57回試験の実技1では、問3で見たことのないような図が出題されました。最近、このような新傾向の問題が時々出題されます。対応できるようにするため、より知識を深めていく必要性を感じました。

4.実技試験対策

 不合格の結果を受けて、最初にやり始めたのが気象庁の「短期予報解説資料」を読むことでした。これは気象庁ホームページの「気象の専門家向け資料集」というところに載っています。それと同時に、すでに第35回から第56回の予報士試験の過去問はやり終えていたのですが、再度やり直しました。

5.ついに合格

2022年8月21日、第58回気象予報士試験を迎えました。場所は吉祥寺の成蹊大学でした。受験の結果、今度は合格通知が送られて来ました。その後、2022年10月に気象庁に登録して、正式に気象予報士になることができました。合格したのは2年生の秋ですので、要した期間は1年半になります。

6.勉強法について

トータルの勉強時間は覚えていません。大事なのは時間より内容と思っています。例えば1日2時間勉強すると決めたとしても、ダラダラやっていたら時間だけが過ぎていくので、あっという間に2時間を迎えてしまうわけです。むしろ量を決めて、例えば「今日は30ページまでやる」とかを決めてやっていくことが大切だと思います。

 勉強時間の確保については、大学に入学した当初はコロナ禍の最中で、オンライン授業がメインだったので、通学時間がなかったため勉強時間を確保することができました。2年生になると対面授業が増えてきたので、授業の合間の空きコマ時間を活用しました。大学では空きコマが結構ありますが、そこを予報士試験の勉強時間に位置づけました。ただ、さすがに大学受験のように毎日10時間勉強みたいになると、ちょっと精神的にも参りますので、 休日は普通に休んだりとか出かけたりしていました。また平日は19時半まで勉強ということに決めていました。19時半は早いと思われるかもしれないですが、大学から家まで通学に2時間かかるので、それ以上は無理でした。

7.使用したテキストなど

テキストは「らくらく突破・気象予報士かんたん合格テキスト」シリーズを使いました。この本は高校ぐらいまでの数学や物理の基本、たとえば数学なら数Ⅱぐらいまでの基本が備わっていたら十分読めるテキストですので、お勧めです。ただ、結構古い情報が載っていることがあるので、気象庁ホームページの「知識・解説」というページを見ながら勉強するのがいいと思いました。

あとテキストを用いた勉強については、単元ごとにノートにまとめるのではなく、「とにかく読み切ってしまう」ことが大事だと思います。読み切ることで得られる達成感が、勉強を続ける原動力になります。1回テキストを読むだけでは忘れてしまうので、2回読むことで記憶が定着していきます。

実技試験については、「らくらく突破」シリーズのほかに、「めざてんサイト」という個人の方がやっているWebサイトも活用しました。会員になると過去問を利用できるので、ぜひおすすめしたいサイトです。解説も丁寧に書かれています。

あとワイオミング大学の高層気象観測データも見るようにしました。Stuveダイヤグラムやショワルターの安定指数、寒気移流や暖気移流など、実際の高層気象観測データから読み取ることができます。

8.さいごに

気象予報士試験は合格率4~6%の簡単ではない試験ですが、受験資格に制限がないのが特徴です。例えば大学を卒業していなくても、誰でも受験することができます。気象予報をするためには必須の資格ですので、気象関連の職に就きたい人は目指すべき資格と思います。