令和6年9月21日能登半島の大雨に関するメモ

(1) 気象庁全国合成レーダーGPV 20日18Z~21日12Z(日本時間21日3時~21時)、単位はmm/h

(2) 国土交通省XRAIN地上 250mメッシュ1分間隔の降水強度(単位はmm/h、日本時間21日8時~12時)

※このデータセットは、文部科学省の補助事業により開発・運用されているデータ統合解析システム(DIAS)の下で,収集・提供されたものである。

(3) 輪島上空のskew-Tダイヤグラム(日本時間21日6時、気象庁メソモデルMSMの初期値)

※プロットには「plotskew.gs」(http://cola.gmu.edu/grads/scripts/plotskew.gs)を利用しました。

(4) メモ

  • 豪雨をもたらしたのは、前線に伴うレインバンドである。
  • 線状降水帯の特徴である「バックビルディング」が明瞭ではない。つまり降水システムは組織化されていない。
  • むしろ降水強度が120mm/hを超えるような強い降水セルが上陸することで、短時間に大雨がもたらされている。
  • 強い降水域は能登半島の北端およびその周辺に集中している。「たまたま激しい大雨を伴う降水セルが能登半島に上陸した」か、または「降水セルが能登半島の地形で強められた」かの、2つの可能性が示唆される。
  • skew-Tダイヤグラムによると、有効対流位置エネルギーが1344 J/kgに達しており、強い対流雲が発達する環境であった。また全層にわたって湿っており、雲や降水の蒸発が妨げられたことが、強い降水につながった可能性がある。
  • 浮力中立高度が200hPaよりも上空にあり、非常に背の高い積乱雲が形成され得る環境場であった。