東京で「暖かい豪雨」が起こっていることを確認

論文「Microphysical Characteristics of Warm Convective Precipitation in Tokyo(東京における暖かい対流性降水の微物理的特徴)」が日本気象学会の英文レター誌SOLAに掲載されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sola/20/0/20_2024-002/_article/-char/ja

雨が降るメカニズムには「暖かい雨」と「冷たい雨(氷晶雨)」の2種類があることが知られています。これらのうち「暖かい雨」(液体の雲粒の併合によって雨滴が形成される過程)は、東京のような都市域では起こりにくいと考えられてきました。なぜなら、雲粒の凝結核となるエアロゾル粒子が豊富で、小さな雲粒が多数形成されるからです。

本研究では雲を観測することができるKaバンドレーダを活用し、東京に発生する積乱雲の雲頂高度を正確に測定した結果、0℃よりも気温が高い雲から最大54.7mm/hの強い降水が起こっていることを確認しました。

暖かい豪雨は、雲底の気温が高いほど、またエアロゾル粒子が少ないほど起こりやすく、近年の温暖化や空気の清浄化は、より暖かい雨が起こりやすい環境をつくっているものと考えられます。